南米大陸の南端に位置するパタゴニアは世界中のトレッカーにとって憧れの地です。パタゴニアはチリとアルゼンチンという2つの国にまたがっていますが、チリ側で最もパタゴニアらしい自然を満喫できるのが「トレス・デル・パイネ国立公園」。そのなかにある「Wトレック」は世界で最も景観の美しいトレイルの一つといわれ、雄大な山々、渓谷、湖、氷河などをみながら、じっくり時間をかけて歩くことができます。「トレス・デル・パイネ」は「パイネの塔」という意味で、初日のベース・トレスではこのパークの象徴である聳り立つ3つのタワー(山)を見ることができます。また、Greyでは、オプションでツアーに参加すれば、グレイ氷河の上を歩くアイス・トレッキングやカヤックで氷河湖を自由に動き回るといった貴重な体験も可能です。
約70kmを数日かけてハイク
このコースが「Wトレック」と呼ばれるのは、全長約70km(43マイル)にわたるルートの形(下の地図では赤い部分)がアルファベットの「W」に似ているためです。この国立公園には、「Wトレック」に加えてパイネの裏側まで回り約2倍の距離(120km)を10日ほどかけてループ状に歩く「Oサーキット」(赤い線プラス青い線)という、より過酷なルートもあります。ただし、裏側の青い部分は天候が荒れやすく、あまり山小屋もないため、寝袋や数日分の食料を担いで歩かなければならず、ハイカーの数は圧倒的に少なくなります。

「Wトレック」は、東から(ビジターセンター起点)でも西から(パイネ・グランデ起点)でもスタートでき、個人の体力、ペース、好み、スケジュールなどによって、4~7日ほどかけて歩くケースが多く、私は東から西に5日かけて歩きました。公園に入るためにはチケットを購入する必要があります(3日以上滞在する場合はそれ用のチケットあり)。オンラインで事前購入もできるので、できれば買って行った方が現地でキャッシュをやりとりする必要がなくなりスムーズに入園できます。最も近い空港はプンタ·アレナス。ベースとなる最寄りの街はプエルト·ナタレスです。
最大の課題は宿泊場所の確保
「Wトレック」を歩く際の準備段階における一番の課題は、その間の宿泊場所の確保です。基本的なオプションは指定エリアにあるリフュージオ(山小屋)かテント泊ですが、いずれも予約が必要で、キャパシティに対して希望者の数が圧倒的に多いため、特にピークシーズンは争奪戦となります。予約解禁とともに自分で頑張ってトライするのが面倒な場合は、宿泊施設を押さえてくれるサービスもあります。私は歩くことにエネルギーを集中したく、余計なストレスは避けたかったので、多少割高になりますが、宿泊施設の予約に加えて、ボックスランチ(お弁当)を含む毎日の食事、シャワーおよび登山口までの送迎、カタマランのチケットなどが含まれたパッケージを利用しました。
「Wトレック」は、それほど標高の高い場所は通らないため、高山病の心配はありません。周りには高い山が見えますが、実際に歩く場所は、一番高いラス・トーレス展望台でも約870m、フランセス谷から奥に入ったミラドール・ブリタニコは750〜800mです(とはいえ、どちらも決して楽に登れるという訳ではありません)。
その代わりに気をつけなければならないのは、変わりやすい天候(強風、雨、雷)や日差しの強さ。特に風はすごく、私が歩いた時(12月下旬)が特にそういうタイミングだったのか、ときには前に進むのもままならないほどの強風に遭遇しました。以前から「パタゴニアは風が強い」と見聞きしてはいましたが、想像以上で、いままで経験したことのないレベルでした。
全体のコースデータ
●エリア:チリ、トレス・デル・パイネ国立公園
●最高地点の標高:870m
●ルート:Wトレック
●距離:76km(47 mile)
●標高差:770m
●難易度:🌠🌠🌠
●スタート地点:ウェルカムセンター
5日間の歩み
実際に歩いた時の様子は以下に1日ごとにまとめています。
⚫︎パタゴニア「5 Day – Wトレック」〜 Day1
(Welcome Center to Base Tress RT)
⚫︎パタゴニア「5 Day – Wトレック」〜 Day2
(Welcome Center to Frances)
⚫︎パタゴニア「5 Day – Wトレック」〜 Day3
(Frances to Paine Grande)
⚫︎パタゴニア「5 Day – Wトレック」〜 Day4
(Paine Grande to Grey)
⚫︎パタゴニア「5 Day – Wトレック」〜 Day5
(Grey to Paine Grande)

