12月下旬にパタゴニアで「Wトレック」を歩きました。東から西に向かう5日間のトレッキングです。
(Wトレック自体の説明ページはこちら)。

3日目の行程は、フランセスのテント村を出て、イタリアーノ経由でフレンチバレーに入り、フランセス展望台から、ブリタニコ展望台まで登った後、下りてきてパイネ・グランデまでいく約22km。上の地図でいうとパープルの部分です。
そもそもかなりハードな行程であるところに、雨模様で、風も強まりそうなので、渓谷部分はフランセス展望台までしか登れないことも覚悟しつつ、状況を見ながら判断するつもりで出発しました。


歩き始めは、入ってきた時と反対方向に進むと表示がでてきます。


フレンチバレーはWの字の中央の線にあたる部分で、渓谷歩きのベースとなるイタリアーノには荷物の置き場所があるため、大きな荷物はここに置いて、アタックザックのみで登ることができます。フランセスを出て30分ほどで到着すると、置いてある荷物の数はまだ少なく、私たちはかなり早めの到着組だったようです。でもよく考えてみれば、反対周りでくるトレッカーたちは、朝パイネ・グランデから歩いてくるはずなので、フランセスからきた私たちよりも時間がかかる訳です。
荷物を置いたあとは、小雨の降る中でアタック開始。


最初はウッズのなかですが、15分もすると視界が開けてきます。

早くも絶景に圧倒されながら

またウッズを抜けたりしつつ

イタリアーノから1時間15分ほどでフランセス展望台に到着。この時点で小雪がちらついていました。

正面に広がるフレンチ氷河と遠くにパイネ・グランデ山。パイネ・グランデ山(3050m)はトレスデルパイネ国立公園のなかでは最高峰です。ちなみに、この日の目的地のパイネ・グランデ・リフュージオはこのパイネ・グランデ山の麓にあるため、その名前がついています。
この時点で天気が回復する気配はなく、先に進んでもあまりいい景色は望めそうにないため、多くのトレッカーはここから引き返していましたが、私たちは思ったほど体力を消耗してなく、気分的にもポジティブだったので、思い切ってブリタニコ展望台まで進むことに。たとえ景色は見えなくても、そこまで歩いたという記憶は一生残るし、せっかくここまできたのだからという気持ちでした。

ブリタニコまではここから3km。別のトレッカーが前に進んで行ったことにも少し勇気づけられました。


ウッズの中は風を避けられますが、抜けると寒い。


写真ではわかりにくいけれど、風は強く、景色は霞んでいるし、足元には雪が積もり始めています。

私たちにとってのフランス渓谷はモノクロ写真のような記憶になりそうですが、それでも十分ドラマチックで、感動的でした。


その間も風はどんどん勢いを増し、このあたりでは横なぐり。

フランセス展望台から約1時間半でブリタニコ展望台に到着。晴れていれば絶景なのでしょうが、ほぼ何も見えず、そのままUターンです。



時々ド迫力の景色が顔をだしてくれます

再びフランセス展望台。

このときは、登って来たときよりはるかに風が強く、危険を感じるほどになっていたため、風を避けられる場所まで急いでおります。

この後ランチボックスのサンドイッチで腹ごしらえをして、イタリアーノに戻ったのは2時半。
渓谷の往復には4時間半を要しました。

イタリアーノでザックを回収する間、とにかく風がすごくて、私はザックを背負ったまま体を数メートル規模で右に左にと飛ばされました。下りてきた後の平地だったからよかったけれど、もし絶壁の細い道でこんなことがおきたらと思うとゾッとします。また、ザックのレインカバーも吹き飛ばされたのか、いつのまにか紛失していました。

前日にテンバでゲットした風力予測表をあらためて見直すと、この日のこの時間帯のイタリアーノは風力17ノット、突風は68ノットとなっています。このレベルの突風は非常に強い台風の最大風速に該当するようで、走行中のトラックが横転することもある強さらしく、小柄な私が飛ばされても全然不思議ではないのでした。

あまりの突風にかなり動揺しましたが、この日の行程はまだ終わりではないため、気を取り直し、パイネ・グランデを目指して再び歩き始めます。


最後の区間にくると、これまでとは違った景色が見えてきます。

湖もまたでてきます。これはスコッツベルグ湖。パイネ・グランデはさらに先のペオエ湖のほとりです。



橋を渡り、山をみながらしばらく歩くと、ペオエ湖と遠くに小さくバイネ・グランデのリフュージオが見え始めます。


ビジターセンターまで来たら、もうすぐその向こうがリフュージオ。
今日は、約22kmを9時間50分ほどかけて歩きました。他のトレッカーはほとんどがブリタニコをスキップしているため早くに到着していて、遅れて着いた私たちを見て「ブリタニコまで行ったのか?」と驚いていました。


パイネ・グランデは、ホテルのような立派なロッジで、ダイニングルームも広く、食事はビュフェスタイルでした。

私たちはバンクベッドが2つある4人部屋でしたが、窓からはテント・エリアが見えました。この日ばかりは、雨で風も強く、シャワー/トイレやダイニングまでの移動だけを考えても、つくづく屋内で良かったと思いました。
