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アーチーズ国立公園に行ったらまずはデリケート・アーチへ!

ユタ

●エリア:Arches National Park (UT)
●ルート:Delicate Arch Trail (ピストン)
●距離:3 mile(約4.8km)
●標高差:629 ft
●難易度:🌠🌠(Moderate)
●登山口:Wolfe Ranch parking area

アーチーズ国立公園のなかにある様々な奇石やナチュラル・ブリッジのなかでも絶対に見逃せないものの一つが「デリケート・アーチ」です。これはアーチーズ国立公園を代表するだけでなく、ユタ州のシンボルにもなっていて、ユタの車のナンバープレートにも描かれているほど有名なアーチなので、公園内でどこか一つトレイルを歩くなら、迷わずここをお勧めします。別の場所には、車を停めてちょっと歩くだけで遠くからアーチを見ることができるという「デリケート・アーチ・ビューポイント」なるものもありますが、そこからは本当に小さくしかみえません(下の写真がそれ)。スケール感を実感するには実際にトレイルを歩いてそばにいくしかなく、行けば大きな満足感が得られ、行かなければのちのち後悔すると思います。

トレイルはそれほど長くはありませんが、夏は非常に暑く、日陰になるような場所もほとんどないため、熱中症にならないよう帽子や十分な水が必携です。また、途中からは滑りやすい大きな岩盤の上を登るため、滑りにくいしっかりした靴が望ましく、雪または道が凍結するような季節なら簡易アイゼンなどがあると心強いかもしれません。

トレイルヘッドは、地図の①にあるウォルフ・ランチ(Wolfe Ranch)駐車場の横です。

歩き始めるとすぐに古い丸太小屋がでてきますが、これは1900年代初頭にウォルフという一家が住んでいた家です。南北戦争で体に障害を負ったジョン・ウェスリー・ウォルフさんとその息子さんがこの辺で牧場を営んでいたようで、パーキングがウォルフ・ランチと呼ばれるのもそこからきています。

小屋を過ぎたあと、トレイルの序盤はわかりやすく整備された普通の道が続きますが、橋の向こうに見える少しオレンジっぽい部分がこれから登らなければならない岩場です。デリケート・アーチはまだそのずっと向こうで、ここからはみえません。

オレンジ部分に近づいてくるとこんな感じ。

遠くにごまつぶのように歩いている人々を見るとわかりますが、この先ははっきりとした道のようなトレイルではなく、みんななんとなく同じ方向に向かってそれぞれのステップを歩いている感じです。人が大勢いる時は前の人たちについて行けば大丈夫ですが、人が少なかったり、見通しが悪い時は道をそれないようにしなければなりません。

これがスラブ(slab)と呼ばれる大きな平たい板のような岩盤で、滑りやすいです。

けっこう傾斜もあります。この辺の登りが一番キツイところ。

はっきりした道がないので、広い場所では迷わないようにケルンや「トレイル」のマーキングがあります。

岩盤を登りきると、両サイドを岩に囲まれた小道に入っていきます。この辺には植物もあり、その間を抜けて右へ左へと進みます。

モコモコの巨大マフィンのような岩。

次は右手に高い岩壁を見ながらその端を歩くコースです。左側は面白い岩の景色が広がってます。この辺からはデリケート・アーチのあるプレートに裏側から回り込んでいる感じ。

ねじれた部分が巨大なツイストドーナツみたいな「ツイステッド・ドーナツ・アーチ」もでてきます。ねじれの近くまで登ってみようとする若者たちがいましたが、傾斜が急で足場が滑りやすく、難しそうでした。

そして崖っぷちのようなちょっとスリリングな細い道。ロープなどは一切ないので、凍結すると怖いです。でもここを抜ければ、目的地もすぐそこ。

デリケート・アーチのドラマチックなところは、遠くから少しずつ見え始めるのではなく、あるとき突然目の前に広がるところです。寸前までは見えませんが…

ハイ、見えました!
頑張ったかいあって、到着です。
さらに近くまでいくと迫力満点。

「デリケート・アーチ」は、アーチーズ国立公園内では最大の自立型アーチで、下の開口部の高さは46フィート(14m)、幅は32フィート(10m)もあります。下に立っている人と比べるとその大きさがよくわかります。「デリケート・アーチ」といわれるだけあって、本当に微妙なバランスで立っている感じで、特に左側のくびれた部分なんて、いつポキっと折れてもおかしくない印象です。このアーチは夕日に赤く染まる景観が特に素晴らしいことで有名ですが、その時はみんなの撮影の邪魔にならないよう、アーチには近づかないのが暗黙のルールになっているとか。この時は昼間だったので堂々とそばに行くことができました。

帰りは下りなので楽ちんで、風景もちょっと違って見えます。結局私たちは、上でのランチ休憩も入れて、1時間45分ほどでパーキングに戻ってきました。山登りに慣れていればけっして難しいトレイルではありませんが、非常にユニークで、一生の思い出に残るとても楽しいハイクでした。

ユタ州のナンバープレートです。

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