大都会のマンハッタンで自然の中を歩きたい時は、基本的に公園しか選択肢がありません。大きなところですぐに思い浮かぶのはセントラルパークですが、実はそれ以外にももっと本物の自然がたっぷり残っている場所があります。あまり知られていませんが、マンハッタン島の最北端に位置するインウッド・ヒル・パーク(Inwood Hill Park)です。セントラルパークと違って人が少なく、いくつかの充実したトレイルがあり、地下鉄で簡単にアクセスできて、ちょっとした山登り気分が味わえる穴場なのです。白人がインディアンからマンハッタン島を買い取った場所といわれる歴史的なポイントもあります。北の方は怖いという印象があるかもしれませんが、ハーレムを超えてインウッドまでいくと、普通の住宅街になるので大丈夫です。今回はそのすぐ南のフォート・トライオン・パーク(Fort Tryon Park)と合わせて歩きました。
●エリア:マンハッタン最北端 (NYC)
●ルート:Fort Tryon Park- Inwood Hill Park(Orange trail) Loop
●距離:約4 mile
●標高差:508 ft
●難易度:🌠
●始点:Fort Tryon Parkの入口
フォート・トライオン・パークのスタート地点に一番近い地下鉄の駅はAラインの190丁目です。下車したらエレベーターに乗って上にあがり、外に出ると、すぐ右手に公園の入口が見えます。
ここの駅で下車した人の多くはメトロポリタン美術館の別館である「クロイスターズ」に向かうので、その流れに沿って公園内に入り、北に進みます。
途中、階段を登ったところにあるリンデン・テラス(ベンチのある広場)からはニュージャージー側の景色が見えます。
さらに進んでトンネルの上を越え
「クロイスターズ」が見えて来たら、右側に回り込んで進み、北の出口に向かいます。
フォート・トライオン・パークを出ると、次はインウッド・ヒル・パークに向かうためちょっとだけ街なかを歩きます。リバーサイド・ドライブを渡ってそのままベイソン・アベニューを進み、さらにダイクマン・ストリートをクロス。
インウッド・ヒル・パークの入口は左角のプレイグラウンドの先で、公園内の地図が掲示されています。
下の拡大した地図を見るとわかりますが、インウッド・ヒル・パークにはいくつかのトレイルがあります。基本的にどれを歩いても簡単に戻ってこれますが、おすすめはブルーからオレンジに入り、「The Clove」と呼ばれるエリアを北上してぐるりと大回りするルートです。この部分だけで約1.5マイル。
インウッド・ヒル・パークに入ると、一挙に山の中のような雰囲気となり、森林浴を楽しめます。
下は鯨の背中のようなホエール・バック・ロック(Whale Back Rock)。
ここからオレンジのトレイルに入るとThe Cloveです。
このエリアは17世紀まで先住民のレナペ族が住んでいたところで、祈りやメディテーションなどが行われる聖なる場所「The Circle」や
彼らがキャンプに使っていた岩場の「インディアンケイブ」などがあります。
さらにその先には、オレンジ・トレイルをちょっと右にそれたところに、1626年にオランダ人が先住民からマンハッタン島を買い取ったといわれる場所「Shorakkopoch Rock」があります。
この後は、オレンジのトレイルに沿ってループ状に南下し、またフォート・トライオン・パークにもどりますが、インウッド・ヒル・パークの周辺には、ハーレム川の一部で淡水と塩水が混ざる湿原「マスコタ・マーシュ」もあるので、時間があれば足を伸ばしてみるのも面白いと思います。ここへいくと、ヘンリー・ハドソン・ブリッジの全景と共に、岩壁に描かれた大きなアルファベットのC(コロンビア大学の頭文字)も見ることができます。
またアートが好きな人は、帰りにフォート・トライオン・パークの「クロイスターズ」に寄っていけば、1日をフルにエンジョイできます。
最後に、フォート・トライオン・パークではBillings Lawnの横から川の方を見ると、ジョージ・ワシントン・ブリッジが綺麗にみえます。