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パタゴニアで登山:アルゼンチン側にいくなら外せないフィッツロイ〜ロゴで見慣れたあこがれの名峰の懐へ!

南米

イントロダクション

フィッツロイは、アンデス山脈の一部で、人気アウトドア·ブランド「パタゴニア」のロゴのモチーフになっていることでも知られるアルゼンチン側のパタゴニアを代表する美しい山です。ただし、実際の山頂(3405m)は鋭い花崗岩の岩峰群に覆われ、登頂には極めて高度なアルパインクライミング技術が必要とされるため、多くの一般トレッカーはロス·トレス湖(Laguna de Los Tores)の展望スポットを目指します。湖の後ろに頂きを仰ぎ見ることができる往復約20km、8~10時間のデーハイク・コースで、私が歩いたのもここ。この行程の9割方は、普通のハイカーなら難なく楽しんで歩けると思いますが、一番の難関は最後の1kmの急騰。岩だらけで足場も悪く、誰もがここで苦労します。でも、そこを抜けると素晴らしい絶景が待っているので、パタゴニアに行くなら是非とも歩いておきたいトレイルの一つです。

「ロス·トレス湖まではちょっと大変そう」という方は、途中のカプリ湖まででも十分美しい景色を堪能できます。私はカプリ湖にも寄りたかったので、途中の部分で行きは展望台ルート、帰りは湖ルートを歩きました。

また、朝焼けに燃えるフィッツロイを見るために暗いうちから登り始める人もいて、それも素晴らしい体験になると思います。一方で、明るくなってスタートすると、足元がよく見えるのでより安全なうえ、かなり下の方からずっとフィッツロイの勇姿を楽しみながら登ることができるというメリットがあります。

このトレイルは世界遺産に登録されている「ロス·グラシアレス国立公園」の一部なので、歩く時は入園料を支払わなければなりません(以前は無料だったけど2024年10月から有料に)。登山口でチェックされます。事前にアルゼンチンの国立公園サイトで購入しておけば、クレジットカードも使えます。サイトでは、色々ある国立公園のなかからロス・グラシアレス国立公園を選択し、「Fitz Roy Base Portal – El Chalten – Los Glaciares National Park」というアクセス・ポータルで申し込みます。2025年12月時点で、外国人は45000ペソでした。

コース・データ

●エリア:アルゼンチン、ロス・グラシアレス国立公園
●ゴール地点の標高:1170m
●ルート:Laguna del Los Tres via Sendero Monte Fitz Roy(out & back)
●距離:往復 22km(13.67 mile)
●標高差:1060m 
●難易度:🌠🌠🌠
●登山口:End of San Martin Avenue(-49.32098192629903, -72.89440773909737)

いざ出発!

麓の村は、アルゼンチンのエル・チャルテン。ほとんどの人はバスで到着し、ターミナルのすぐそばに立っている看板が記念撮影ポットになっています。ここですでに向こうに頭が見えているのが、フィッツロイです。エル·チャルテンの「チャルテン」というのは「煙を吐く山」という意味で、フィッツロイ自体の別名ともなっています。煙を吐くというのは、霧や雲がかかっていることが多いということで、晴れていてもなかなか全景を拝むことができないと言われますが、この時はドラマチックな雲の下にちゃんと山頂が見えていました。

登山口はここから歩いて20分ほどの場所で、メインストリート(San Martin Avenue)の北の端です。

市街地を抜けてパーキングが出てきたら、そのまま進み、ゲートをくぐって、料金所で入園チケットを提示。 

ここは「チョリロ・デル・サルト」のスタート地点でもあるので登り口が2つありますが、左のフィッツロイの方へ。

エル・チャルテンの街並みを見下ろしながら最初の勾配を登っていくと、視界が開け、デ・ラス・プエルタス・リバー・バレーのビューポイントです。

このトレイルは、スタートから目的地までが片道約10kmの道のりで、1kmごとに今どの地点にいるかを教えてくれるので助かります。

3km地点の表示が出てくるとすぐにカプリ湖にいく湖ルートとの分岐になります。

私たちは、行きは展望台ルートを歩く計画なので右へ。
するとこのあとすぐにフィッツロイが姿を現します。

ジャジャーン!待ちに待った感動のご対面。はじめましてです。素晴らしいお天気に恵まれたので、山頂まで非常にクリアにみえて感激。

それぞれのピークの説明板もあります。中央の一番高くどっしりしたのがフィッツロイ(3405m)。その左の鋭い峰はポインセノット(3002m)、右がメルモーズ(2732m)です。

ここからしばらくは前方にフィッツロイを見ながら歩けるのでテンションは上がりっぱなし。道も比較的なだらかなので、風景が変わるたびにシャッターを押す手がとまりません。太筆で白いペイントをスッーとひとはけ入れたような独特の大きな雲も絵になります。

下の写真は6kmと7kmの間で、だいぶ近づいてきた感じ。この時点でスタートから2時間ほど経過してます。

ボードや橋を渡る場所もあります。ちなみにこの橋は人数制限があって1人ずつしか渡れません。

8kmを過ぎたあたりにキャンプ場があります。日の出を見にいく場合はここに泊まるとピークが近くていいですね。キャンプ場にはトイレもあり、必要な際は自由に利用できます。

その後、ブランコ川を渡り、少し岩の中を進んだところで、いよいよ最後の1kmがやってきます。

茶色い板は警告サインです。「進めるのは体調がいい人のみ」「足場が不安定なのでちゃんとした靴を履け」「風、雨、雪、凍結時はやめておけ」「暗くなる前にこの地点に戻って来れるように計算していけ」「1kmで標高が400mあがる急騰だ」といったことが書かれてます。「覚悟はいいか?」といわれているようで、ちょっと緊張。

ほどなく9km地点のサインも出てきて、岩場の登りが始まり、だんだん岩も傾斜も大きくなってきます。
実際、このあと40分ほとは写真を撮る余裕がありませんでした。

ようやく岩場を抜けたと思ったら、今度は小石でステップがずるずる滑る歩きにくいエリアが続きます。でも、もう丘の向こうにはフィッツロイの頭が見えているので、最後の力を振り絞って頑張ります。

そしてたどり着いた景色がこれ。

ロス・トレス湖です!

湖畔まではまだ少し距離がありますが、疲れたので、とりあえずここでランチをすることに。
お腹を満たして元気になったところで、ザックを置いて下まで降りてみます。

水面レベルまでくるとまた景色が違います。この日、フィッツロイは終始完璧な姿を見せ続けてくれました。
また、ここからさらに左手の丘に登ると隣にあるシスア湖を眼下に見下ろすこともできます。

湖畔でひとしきり絶景を楽しんだ後は、ザックを置いてきた場所まで上がらなければならず、これが地味に疲れました。上の方にアリのように小さく人が見えるところが、ランチを食べたあたりで、湖のほとりまで降りて来ない人もいます。
結局、ランチタイムや湖畔の散歩も入れて、スタートから4時間ほどで折り返しに入りました。

登ってきた急峻な岩場を今度は下る訳ですが、この頃には下から上がってくる人たちも大勢いて、狭い場所では道を譲り合ったりもしなければならないため、けっこう時間がかかります。

上から見下ろす渓谷はとてもきれいですが、下りの方が事故が起きやすいので気は抜けません。

ようやく、危険な箇所を抜け、9km地点の警告サインのある場所にも、ちゃんと明るいうちに戻ってきました。といっても、パタゴニアは緯度が低いため日が長く、夜は10時近くまで明るいのですが…。

帰りも別の角度から美しい風景を楽しみます。
ふと思い立ち、一生に一度のチャンスとばかりに、愛用している「パタゴニア」ブランドのロゴを本物のフィッツロイと比べてみることにしました。

ちなみに拡大版のロゴはこれ。

こうしてみると、ロゴに描かれた一番高い山は確かにフィッツロイです。独特の形なのでわかりやすい。生フィッツロイで検証なんて、なんたる贅沢!今後このザックや様々なパタゴニア商品を使うたびに、この瞬間やこの景色を思い出すことでしょう。

さて、帰りはカプリ湖に寄っていくため、6kmのサイン後に出てくる分岐で右側の道に入ります。

これがカプリ湖からみたフィッツロイ。ほんとうに煙を吐いているみたいです。
ここで、日本人とお会いしました。おばあ様とお孫さんを含めた3世代の家族連れで「子供がいるからここまでにしました。ここの景色も十分綺麗ですから」とおっしゃっていたのが印象的でした。

このトレイルでは、ロス・トレス湖の風景が素晴らしかったのはいうまでもありませんが、そこまでたどり着く間にも色々なフィッツロイの表情を見ることができたのが、私にとっては大きな喜びでした。歩いているあいだずっとそばで見守ってくれているようで、姿が見えるたびにたくさん元気をもらえました。

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