夏の一時帰国時に奥秩父の盟主「金峰山」に登ってきました。岩稜絶景コースで知られる日本百名山の一つです。瑞牆山荘からスタートする「千代ノ吹上コース」を歩いたので、かなりの長丁場となり、体力も要しましたが、お天気は最高で、景色もよく、富士山の頭もちゃんと見えて、とても充実したデーハイクとなりました。

●エリア:秩父多摩甲斐国立公園
●標高:2599m
●ルート:千代ノ吹上コース
●距離:10.86km(6.8 mile)
●標高差:1301m
●難易度:🌠🌠🌠
●登山口:瑞牆山荘(山梨県北杜市須玉町小尾8861)前


登山口は瑞牆山荘前の道を渡ったところ。前日と当日は瑞牆山荘に宿泊したので、宿で朝食を食べてからおもむろに出発し、下山後もすぐに宿に戻ってお風呂や食事ができて、とても便利でした。


登山口のサインによると、ここから富士見平まで「50分」、金峰山頂まで「4時間10分」となっています。熊に注意のサインも。瑞牆山荘のオーナーの話では、この辺にいるクマはヒグマではなくツキノワグマなのでそれほど凶暴ではないということですが、鈴をつけて歩いている人も結構いました。
この登山口は、瑞牆山の登山口でもあるので、富士見平まではそこそこ混雑していました。歩き始めて25分ほどすると最初のビュー。この先に待っている絶景への期待感が高まります。

さらに樹林帯を進んでいくと富士見平小屋。

その名の通り、ここには、晴れていれば富士山が見えるビュースポットがあります。この日も遠くにちゃんと見えました。(下の写真は少し拡大しています)


ここから金峰山と瑞牆山のルートが分かれるので、山小屋の右手奧から金峰山方面の道に進みます。やっぱり少しルートが短くて楽な瑞牆山にいく人が多いようで、この先は随分人が減った印象でした。

急登が始まり、大日小屋を通過すると、「大日岩」の手前で最初の鎖場がでてきます。このコース全体では、3箇所ありました。


上からの景色はすごいです。

大きな大日岩を下から見上げたところ。

ここからまたけっこうな急騰などをひたすら登り続け、最後にゴツゴツの岩場を登りきると


「砂払ノ頭」で、視界が開けます。

この辺はあまり足場がよくありませんが、少し道を外れて前方に進むと、覗き穴のようなスペースがあいている岩があり、隙間から向こう側を見ることができます。


ここから先の稜線歩きがこのコースの醍醐味。トレイルは頂上に向かって左手に曲がっていく感じで、向こうに見えるすごい絶壁が「千代ノ吹上」です。

「千代ノ吹上」という地名の由来は、昔は女人禁制だったこの山に、麓に住んでいた大工さんが夫婦で登ってしまったところ、奥さんの千代さんがこの断崖から滑落。祟りだと恐れたご主人が山頂の祠で7日間断食しながら妻の罪が許されるよう祈り続けたら、谷底から千代さんが吹き上げられて戻ってきたという言い伝えがあるためだそうです。
現在は女人禁制ではなくなり、女性も普通に歩けるようになりましたが、それくらい気をつけて歩いた方がいい場所だということでしょうね。


また鎖場もでてきます。


歩いているうちに雲の合間から富士山が顔をだしてくれました。

そうこうするうちにもうすぐ頂上です。

これが山頂(直前)の五丈岩。信仰の山なので、鳥居があります。御神体で、神霊の宿る岩と崇められているため、岩の上まで登ることは禁じられています。山頂のサインは、五丈岩の向かい側の少し先にある高い岩の上に設置されています。


ここからの見晴らしは素晴らしく、南アルプスなど360度のパノラマビューが楽しめます。


下山は登ってきた道をリターン。

本当にいつまでも見ていたい景色でした。