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カミーノ・デ・サンティアゴ〜ポルトガルの道(海岸ルート)を踏破

カミーノ・デ・サンティアゴ

2024年4月下旬から5月中旬にかけて、「カミーノ・デ・サンティアゴ」の「ポルトガルの道」(コースタル・ルート)を歩いてきました。「カミーノ」は、キリスト教徒が10世紀から歩いてきた長い巡礼路で、色々なルートがありますが、基本的に自分の出発した地点から、徒歩、自転車、馬などで、12使徒の一人である聖ヤコブ(サンティアゴ)が眠るスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ(大聖堂)を目指します。今ではキリスト教徒だけに限らず、多くの人が、様々な理由で、この道に挑戦しています。 カミーノのことを全くご存知ない方は、こちらの「日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」のサイトをご覧になると概要がわかると思います。

typical pilgrim

私は、基本的に歩くことが好きで、すでに10年前にカミーノのなかでも最も一般的な「フランス人の道」を歩いています。長い道のりをひたすら歩き続けることで、自分自身と向き合うことができ、多くの気づきや人とのふれあいも得られたので、もう一度挑戦することにしました。今回のルートは、いろいろ考えた末に「ポルトガルの道」を選択。理由は、序盤で前回全く見ることがなかった大西洋を横目に海岸沿いを歩けること、ポルトガルとスペインという2つの国を歩けること、「フランス人の道」に比べると比較的平坦で距離も短いこと、などです。スペインには何度か旅行で行ったことがありますが、ポルトガルは大昔に一度ポルトに行ったきりなので、カミーノの途中や前後に他のポルトガルの街が観光できるというのも大きな魅力でした。

map

「ポルトガルの道」自体はリスボンから始まりますが、「コースタル・ルート」はポルトからで、全体の歩く距離は、ガイドブックなどによって多少違い、サンティアゴでもらったコンポステーラ(巡礼証明書)によると260kmでした(ちなみに「フランス人の道」の公式記録は775km)。私はこれを12日かけて歩いたので、単純計算で1日平均21.7kmほど歩いたことになります。

最初の週はずっと雨で、時にはザーザー降りのなかを進む厳しい歩きとなりましたが、後半は晴れ、スペインに入ってからはほぼ快適に歩くことができました。足元は、海岸沿いでは専用のボードウォークを歩くことが多く、そのほかの場所では石畳みの道も多くて、全般的に「フランス人の道」とは景色も雰囲気もずいぶん異なりました。比較的平坦とはいえ、山越えもあるため、ちゃんと自分で荷物を背負って歩く場合は(宿から宿に運んでくれるサービスもあります)、それなりの覚悟が必要だと思いますが、「フランス人の道」が踏破に約1ヶ月かかったのに対し、2週間以下と期間が短い点は楽でした。黄色い矢印も、大都会の中心部などを除けば、きちんと表示されていました。

boardwalk on the coast

最初に私がちょっと手間取ったのはポルトでのクレデンシャル(巡礼手帳)の入手で、最近になって変更されたのか、他の方のブログなどで読んだのとは場所が違い、カテドラルのなかに入ってすぐの入場料を支払うカウンターで売っていました(€2)。バックパックに付けるホタテ貝が必要な場合もここで買えます。私は、前回フランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーで入手した白いシンプルなものを再び使いましたが、ポルトのカテドラルで売っているホタテには赤い十字架が入っていました。

Shell

初日の歩き始めは、都心の混雑を避け、メトロの青いラインで「メルカド」まで行き、そこからスタートしました。電車の中では他のピルグリムの姿もみかけ、駅前にはホタテのマークが入ったカフェもあって、ここで朝食を食べて歩き始める人たちもいました。

Cafe at Mercado

スペインへの入国は、川を渡って入る体験をしたかったので、出発前にxacobeotransferという会社で、CaminhaからA Guardaにわたる船の予約をしていきました。以前はここでフェリーが運行していたようですが、今はいくつかの会社が小さなボートで渡し船のサービスを提供しています。

Pilgrim Office

サンティアゴの巡礼事務所(Centro Internacional de Acogida al Peregrino)は、マシンの導入によって劇的に効率が改善し、非常にスピーディに巡礼者をさばけるようになっていました。ピルグリムの登録は事前にオンラインでもできるようですが、私は到着後に事務所の端末で行いました。徒歩なら100km以上(自転車は200km以上)を歩き、クレデンシャル(巡礼手帳)に押されたスタンプでそれが証明されると、€3で証明書がもらえます。スタンプの確認は、それほど綿密ではなく、ざっと見ている感じでした。ただし、コンポステーラ(巡礼証明書)が発行されるのは、登録時にカミーノを歩いた動機/目的の欄で「Religious」(宗教的なという意味ですがキリスト教である必要はなし)を選択した場合のみで、それ以外は到達記念の歓迎証が発行されるようです。

また、「ポルトガルの道」では、ピルグリム・メニューのあるレストランが少なかったのですが、前回のカミノで終盤になって登場しハマってしまったプルポ(タコ)料理がどこにでもあったので、あちこちでたくさん食べました。

Pulpo

以下は、今回私が歩いた行程です。歩きながら毎日リアルタイムで別のプログにアップしていた記事のリンクも貼っていますので、よかったら参考にしてください。

プロローグ1:10年目の再挑戦

プロローグ2;スタート地点へ

1日目:ポルトからヴィラ・ド・コンデ (23.06km)*メルカドの駅を下りてスタート

2日目:ヴィラ・ド・コンデからエシュポゼンデ(24.66km)

3日目:エスポゼンデからビアナ・ド・カステロ (28.55km)

4日目:ビアナ・ド・カステロからカミーニャ(28.4km)

5日目:カミーニャからヴィラデスソ(21.1km)*ポルトガルからスペインに入国

6日目:ヴィラデスソからバイオナ (16.31km)

7日目:バイオナからヴィゴ (27.17km)

8日目:ヴィゴからレドンデラ (16.39km)*レドンデラでセントラル・ルートと合流

9日目:レドンデラからポンテヴェドラ (20.95 km)

10日目:ポンテヴェドラからカルダス・デ・レイス (22.4 km)

11日目:カルダス・デ・レイスからパドロン (19.45 km)

12日目:パドロン からサンティアゴ・デ・コンポステーラ!!(25.9km)

*このほかカミーノに関しては、荷物を軽くする方法に関する記事(こちら)や、雨具についての記事(こちら)もアップしています。

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