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今日は米国の「ナショナル・ハイキング・デー」

登山/ハイク

日本では8月11日が山の日で祝日となっていますが、アメリカでは、こうした祝日はないものの、毎年11月17日を「ナショナル・ハイキングデー」または「テイク・ア・ハイク・デー」と呼んで、ハイキングを奨励する日になっています。

ハイキングは1時間に550カロリー以上を消耗するといわれる優れたエキササイズで、屋外を歩くことは自然の美しさを堪能できるだけでなく、スマホやインターネットなどテクノロジー漬けの日常からも解放される、非常に健康的なアクティビティです。とはいえ、これがファッショナブルな娯楽と位置付けられるようになったのは比較的最近のことで、以前は今のようにきちんとしたトレイルもありませんでした。

米国で最初にハイキング・トレイルが整備されたのは1819年のことで、有名なところでは、このブログでも取り上げているニューハンプシャーの「マウント・ワシントン」への道が作られました。

1838年になると、アメリカの環境活動家で「自然保護の父」「モダン・ハイキングの父」といわれるジョン・ミューアがスコットランドで生まれます。彼は、11歳でアメリカに移住してきたあと、グランド・キャニオンをはじめとする多くの国立公園の制定に関わりました。ヨセミテには彼の名前を冠した「ジョン・ミューア・トレイル」という340kmにわたる長い自然歩道もあります。

全米のトレイル・システムが構築されたのはようやく1965年になってからで、1985年にはユタ州のスキー場オーナーだったリチャード・バス(当時55歳)がエベレストの登頂をもって、初めて7大陸の最高峰を全て踏破するという偉業を成し遂げ、登山というアクティビティに対する注目度が高まりました。

そして2008年には、家を買う時の重要な条件として「トレイルに近いこと」を挙げるひとが、ショッピングやゴルフコースへのアクセスやセキュリティの高さを挙げる人より多くなったのです。もはや歩くことは貧困層や浮浪者のアクティビティではなく、教養のある層が、ゆったりと楽しむ、贅沢な娯楽となりました。

近年は歩くだけでなくトレイルに対する関心も高まり、2013〜2014年には、ボランティアたちが24万1936時間を投じて、将来のハイカーが楽しめるように、アパラチアン・トレイルを整備しています。

現在、ナショナルハイキング・デーには

(1)ハイキングに行くこと
(2)自分の体験をシェアすること
(3)ボランティア・バケーションを取ること

などが奨励されています。

ハイキングには本当にたくさんのメリットがあります。素晴らしい運動であるだけでなく、ハイキングをしているとエンドルフィンやセロトニンがたくさん出るので、ハッピーになり、精神的にもとてもいいのです。年齢を問わず、子供から高齢者まで誰でもでき、自分の体力、好み、やる気に合わせて色々な道やトレイルを選べるというのもハイキングの良さの一つですね。あのリチャード・バスも登山を始めたのは50歳を過ぎてからだったそうです。それと、山で食べるお弁当が美味しいのは誰もが実感することで、ハイキング中は食べ物が最大で35%おいしく感じるといわれています。こんないいこと尽くめのハイキング/登山を、もっともっと多くの人に楽しんでもらいたいと思います。

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