イエローストーンの大きな見どころといえば、温泉、キャニオン、滝、湖、野生動物ですが、このトレイルにはその全てが、ギュッと凝縮された形で盛り込まれています。極端な起伏はなく、特に前半は人が少ないため、園内で一通り有名なガイザーを見て回った後にキャニオンをみながら自然を満喫するのに最適なトレイルで、非常におすすめです。
●エリア:Yellowstone National Park (WY)
●ルート:Wapiti, Clear Lake, Ribbon Lake and South Rim Trail Loop (反時計周り)
●距離 :4.7 mile
●標高差:528 ft
●難易度:🌠🌠
●登山口:Wapiti Lake Trailhead, 44.70784819604914, -110.50019777210994
最初に歩く「Wapiti Lake Trail」のトレイルヘッドは、サウスリム・ドライブ近くのパーキングの奥にあります。ここに車を停める人の多くはすぐにサウスリム側に向かうため、反対側のトレイルヘッド周辺にはだれもいませんでした。
歩き始めると、まず目の前に広がるのはのどかな大平原です。ガイザーを見て回った時とは全く異なる風景で、イエローストーンの多面性を実感します。
さらに進むと右手の眼下に視界が開けます。そして、最初は気づきませんでしたが、遠くに見える黒い点々は、大規模なバイソンの群れでした。
この時は午後2時前で、昼下がりに、水辺でまったりリラックスしている感じです。私がイエローストーンでバイソンを見たのはいつも早朝で、この時間帯にこんなにたくさんの群れを見れるとは予想してなかったので、大感激でした。
ワイルドライフの生態系をかいま見たあとは、湖の登場です。このルートで通過する2つの湖の1つ目「Cear Lake」です。
さらにその先は湯気の立っている穴がでてきたと思ったら、温泉地帯に入り、ぶくぶくと煮立っている温泉の横を通ります。
次にでてくる湖(Lily Pad Lake)はスイレンがたくさん浮いていて、ヨセミテのニンフレイクのミニチュア版のようでした。
そして、後半はいよいよキャニオンです。
柵もなにもないところに突然現れるので、最初はちょっと足がすくみますが、人がいないので、素晴らしい絶景がほぼ独り占めできます。
ロウアー・フォールズ(滝)まで見通せる「アーティスト・ポイント」までくると人が増えますが、ノースリムのビューポイントほどは混雑していない印象です。
でも混み合うのはパーキングまでで、駐車場の端から「サウスリム・トレイル」と表示された道に入っていくと再び人がいなくなり、ゆっくり歩けます。
「サウスリム・トレイル」上には何ヵ所かのビューポイントがあり、渓谷とともに、アッパー・フォールズとロウアー・フォールズの両方を、いろいろな距離や角度から見ることができます。
これは「アッパー・イエローストーン・フォールズ」で、その向こうに小さく「Chittenden Bridge」がみえています。この滝を通り過ぎてトレイルの終盤になると、「Chittenden Bridge」がもっと近くから見えます。
再びトレイルヘッドのパーキングに戻ってきたときには、本当にイエローストーンのエッセンスを堪能した気分になり、予想以上に楽しく充実した約2時間半のハイクとなりました。