スポンサーリンク

ハイカーなら歩いておきたいグランドティトンの代表的トレイル〜雄大な山脈の間に分け入る「Cascade Canyon」

ワイオミング

「カスケード・キャニオン」トレイルは、グランドティトン国立公園を代表するデイハイク・コースの一つで、ジェニーレイクの西側からサウスフォーク/ノースフォーク・カスケード・キャニオン・トレイルとの分岐点まで、ティトン山脈の大パノラマを見ながら、ほぼ一直線の道を歩きます。トレイルとしてはアップダウンの少ない比較的短調なものですが、なんといっても両サイドに次々を現れる高い山々の景色が圧巻で、途中でピカ、ムース、シカなどの野生動物に会える可能性もあります。ただ、全部歩くと往復9.1マイルと距離が長く、折り返し地点は特になにもないただの分岐なので、自分が満足した時点で折り返す人も多いようでした。また、このトレイルのもう一つのポイントは行き帰りにジェニーレイクをボートで渡る体験ができるという点です(歩きたい人はボートを使わずに湖畔を2.5マイル歩いて移動することもできます)。下船して歩き始めた後は、まず観光客にも人気の「インスピレーション・ポイント」に登ります。

●エリア:Grand Teton National Park (WY)
●ルート:Cascade Canyon Trail (ピストン)
●距離:9.1 mile 
●標高差:1102 ft
●難易度:🌠🌠
●駐車場:Jenny Lake Parking (43.75103892101229, -110.72349140226225)

ジェニー・レイクのパーキングはいつも混んでいるので、私たちは混雑を避けるため、早朝のボートで湖を渡りました(夏季のボートの運行は朝7時から)。パーキングを車を停めたら、遊歩道のサインに従ってボート乗り場に向かいます。

これはボート乗り場に行く途中にあった「キャスケード・キャニオン」の模型で、聳り立つ高い山々に挟まれた渓谷を歩くこのトレイルの全体のスケール感がよくわかります。キャニオンの左側の少し奥に聳える一番高い山がグランド・ティトン(4199m)です。

Jenny Lake Boat Dock

ボートの利用に予約などは不要で、料金もドックで支払います。金額は、大人片道12ドル/往復20ドル(2023年8月時点)。チケットはなく、払ったらそのまま桟橋の先まで進みます。往復料金を払った人は手の甲にスタンプを押してもらえ、帰りはそれを見せるだけでボートに乗れます。「帰りは歩こうと思って片道分しかチケットを買わなかったけど、やっぱりボートに乗って帰りたい」という場合も、そのまま乗って、戻ってきた時にここで払えば大丈夫です。

View from the Boat

湖を渡る時にボートからみた景色もとても綺麗でした。

向こう岸に着いた後は、川や橋をわたってしばらく歩き、

Hidden Falls

まずは「Hidden Falls」を見に行きます。

その後の「インスピレーション・ポイント」まではかなり急な道も登らなければなりませんが、ここまでは観光客もたくさんやってきます。

登っていくとだんだん山々が顔を出し始めます。

Inspiration Point

「インスピレーション・ポイント」から見たジェニー・レイク。
朝早いこともあり、澄み渡って凛とした感じでした。

反対側をみると、いつのまにか迫力満点の山々が迫ってきてます。

いよいよ渓谷へ。ここからはハイカーだけになるので、少し静かになります。

Pika

岩場にハムスターとウサギのハーフのような小さな動物がいました。ピカ(ナキウサギ)です。
丸っこくてかわいい。

キャニオンを流れるクリークに沿って歩きます。

ここから先は両サイドの山々の存在感に圧倒されっぱなしです。

上の方には雪渓もみえます。

なにげに見上げてますが、ティトン山脈には富士山クラスの山が12もあるといわれます。

Cascade Canyon

このトレイルでは、歩き進むうちに同じ山を色々な角度から見ることができ、後ろに見えかくれする山も微妙に変わってきます。

折り返し地点は、ほんとうに分岐のサインがあるだけで、何の変哲もない場所でした。

私はここから引き返しましたが、ここを通過点にして右や左に折れ、もっと長いトレイルを歩く本格的なバックパッカーたちもいます。

帰りの道では、馬に乗っているグループをみました。

こういう体験も楽しそうです。

ティトン山脈の最高峰「グランド・ティトン」は、普通のハイカーにはアクセスが困難な非常に厳しい山で、登るにはロッククライミングの技術、および、ヘルメット、ハーネス、ロープなどの装備が必要なうえ、バックカントリーでキャンプするための許可も取らなくてはなりません。登山ガイドがアシストしてくれる2〜4泊のツアーもあるようですが、サミットを踏むには相当な体力、経験、覚悟が求められます。とりあえず私たちは下から見上げるだけで十分満足でした。

キャニオン・ハイクの終盤近くでは、何人もの人が立ち止まって「ムースがいる」と騒いでいました。教えてもらった方向に目を凝らすと、向こう岸の高いところにゆっくり動く黒い影が…。

肉眼では岩との見分けもつきにくく、よくこんなのを見つけてムースだとわかったものだと感心しました。

こうしてこの日は、雨や雷に見舞われることもなく、警告されていたクマに遭遇することもなく、ティトン・マウンテン・レンジの懐深くに入り込む印象的な「カスケード・キャニオン」のハイクを無事に終了しました。湖を渡ってボートを下りてから、またそこに戻ってくるまでにかかった時間は、ランチ休憩を入れて、4時間50分でした。

タイトルとURLをコピーしました