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エルバート山とマッシブ山の丈くらべ騒動〜ケルンで標高を変えられるのか?

コロラド

コロラドで一番高い山は「エルバート山」(1万4440フィート/4401.2m)ですが、1930年代には、エルバート山のすぐ北隣にそびえる2番目に高いマッシブ山(1万4428フィート/4398m)の方がコロラドの最高峰にふさわしいと考える人たちがいたようです。マッシブ(Massive)というのは、英語で「巨大」「壮大」といった意味ですし、ファンが多かったのでしょうね。そして彼らは、マッシブ山をナンバーワンにするために、山頂に石を積んで標高を上げようとしました。なんと、手作業で巨大なケルンを作り、約3mの差を埋めようとしたのです。

上の写真はウィキペディアの「ケルン」の説明からお借りしたもので、スイスにあるようですが、これくらい高ければエルバートを越えそうですよね。また、この記事のアイキャッチに使ったケルンは実際に私がエルバート山の頂上近くで見たものですが、もしかしたら、彼らが作ったのはその大きなバージョンだったかもしれません。

いずれにしても、実際にこれで一時的にマッシブ山はコロラドのナンバーワンになったかに見えたのですが、エルバート山が最高峰という状況を支持するグループも黙ってはおらず、今度は彼らがマッシブ山に登って、山頂に作られたケルンを解体しました。それでもマッシブ支持派はめげずにまたケルンを積み、エルバート支持派がそれを崩すということが何度が繰り返されたようです。

現代の測量基準ではこうした構造物は測量対象にならず、米国地質調査所(USGS)も高さの変更を認めなかったため、最終的にこうしたケルンの建設による最高峰争いは放棄されました。

私はマッシブ山に登ったことがありませんが、エルバート山と同じように頂上が岩や石だらけなら、それらの岩を根気良く上へ上へと積み上げ続ければ標高を変えられるのではないかと考える人がいてもおかしくない気がします。でも、実際にそれを実行した人たちがいたというのは面白いですね。なんともご苦労なことです。それほどのことをしてまでもマッシブ山を最高峰にしたいという情熱は一体どこから来たのでしょう。どちらのグループもケルンの構築/解体のために何度もマッシブ山に登るのは、かなり大変なことだったはずで、最後は意地の張り合いでしょうか。

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